診療科・部門について
当科の診療領域は、手術麻酔とペインクリニック外来となっています。手術室では、外科系各科の手術時に全身管理を担当しています。ペインクリニック外来の対象疾患としては、帯状疱疹、腰下肢痛、顔面痛、複合性局所疼痛症候群などの難治性の慢性疼痛や、各診療科からの依頼のあった、がん性疼痛、さらには疼痛疾患以外では神経ブロック適応疾患として突発性難聴、顔面神経麻痺などを対象としています。
手術は、生体に対し、単に痛みだけではなく、循環、呼吸、内分泌、神経系などの様々な器官、機能に多大なストレス、影響を及ぼします。生体をそれらから守る事が“麻酔”というものです。麻酔には、全身麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔などの種類があり、全身麻酔にも吸入麻酔、静脈麻酔などの方法がありそれらを併用して施行しています。麻酔科医は患者さんの手術室入室から退室まで、手術の全経過を通して患者さんのベッドサイドに付き添い、全身管理を担当します。また安全な麻酔を施行するため、気管挿管、呼吸管理、循環管理などに関する最新の機器やモニターを手術室に準備し、様々な麻酔、手術の局面にも対応できる体制を整えています。さらに術後疼痛に対しても、持続硬膜外注入や静脈内自己調節鎮痛(PCA)などの方法を用いて対処しています。
ペインクリニック外来では、各疾患に応じて星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、トリガーポイント注射などの神経ブロックを行い、必要時には手術室での透視下ブロックも行っています。また最近は低侵襲の処置も求められており、鎮痛薬、鎮痛補助薬を主体とした薬物療法やキセノンレーザーや近赤外線による光線療法を行っています。また、当院は地域がん診療連携拠点病院でもあるため、がん性疼痛管理の依頼にも対応しており、各種麻薬製剤の内服、静脈内、経皮的投与、あるいは神経ブロックなどを用いて治療を行っています。
手術麻酔においては、手術を受ける患者さんの安全が第一と考えています。当院の特徴として年々高齢者、合併症のある患者さんの手術が増加しており、患者さんそれぞれの手術術式、全身状態に応じた麻酔方法を検討、選択し施行しています。また術前診察の際には、患者さん、ご家族に詳しく説明を行っています。
ペインクリニック外来では、難治とされる痛みを出来るだけ軽減するため、まず患者さんの痛みに関するお話を十分にお聞きしすることから治療が始まるものと考えています。難治性疼痛は簡単には克服できないものですが、少しでも患者さんの日常生活の改善につながるよう努力して参ります。
職名 | 氏名 | 卒業年次 | 資格 (専門医・認定医・指導医等) | 専門分野 |
---|---|---|---|---|
副院長 (兼)部長 | まえかわ たかひで前川 隆英 | 昭和 58年卒 | 日本麻酔科学会専門医・指導医 麻酔科標榜医 日本ペインクリニック学会専門医 医学博士 | 麻酔 ペインクリニック |
副部長 | おかだ くにこ岡田 邦子 | 昭和 59年卒 | 日本麻酔科学会専門医・指導医 麻酔科標榜医 日本ペインクリニック学会専門医 | 麻酔 ペインクリニック |
副部長 | みぎた たかこ右田 貴子 | 昭和 63年卒 | 日本麻酔科学会専門医・指導医 麻酔科標榜医 日本ペインクリニック学会専門医 医学博士 | 麻酔 ペインクリニック |
副部長 | みき ともあき三木 智章 | 平成 5年卒 | 日本麻酔科学会専門医・指導医 麻酔科標榜医 | 麻酔 ペインクリニック |
副部長 | えぎ あきこ江木 暁子 | 平成 11年卒 | 日本麻酔科学会専門医・指導医 麻酔科標榜医 医学博士 | 麻酔 ペインクリニック |
医師 | おかの ななこ岡野 菜奈子 | 平成 17年卒 | 日本麻酔科学会専門医 麻酔科標榜医 | 麻酔 ペインクリニック |