平成30年度 広島赤十字・原爆病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 285 176 231 379 699 1119 2254 3398 2501 535

※患者数は延患者数です。同一患者さんが集計期間中に入退院を繰り返した場合、入院のたびにカウントされます。

平成30年度中に退院した患者さんの年齢(入院時点)を、10歳刻みで集計しています。
地域の中核病院として幅広い年齢層の方々にご利用いただいています。
高齢者の割合が高い理由の一つに、被爆者医療の中核機関として、長年に渡り被爆者医療を提供してきた背景が考えられます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

消化器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 501 2.14 2.67 0.00 66.44
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 特別な処置等なし 副傷病なし 133 10.78 10.08 4.51 74.24 内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 特別な処置等なし 副傷病なし 68 9.88 12.15 5.88 68.31 アンギオ(上肢用)
アンギオ(下肢用)
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術あり(血管塞栓術等) 特別な処置等なし 副傷病なし 66 10.30 10.42 1.52 75.39
060300xx97100x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術あり(食道・胃静脈瘤手術等) 特別な処置等あり(限局性膜腔膿腫瘍手術等) 副傷病なし 58 10.36 13.07 0.00 64.26 内視鏡的硬化療法(EIS)

当科では、肝がんの治療は内科、外科、放射線科による合同カンファレンスを経て手術、肝動脈化学塞栓術(TACE)、局所療法(ラジオ波焼灼療法)などを個別的かつ集学的に行っています。
ラジオ波焼灼療法は、造影超音波検査、仮想超音波検査、Fusion技術等を駆使し治療戦略を立てています。
原因となるB型、C型肝炎やアルコールによる肝硬変に対しても原因療法と同時に腹水制御や脳症の治療、静脈瘤結紮術・硬化療法に多くの実績を上げています。
胆膵領域では超音波内視鏡や内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)を行い、さまざまな胆道疾患(総胆管結石、胆道癌、硬化性胆管炎等)や膵臓疾患(膵管癌、膵嚢胞性疾患、慢性膵炎等)の診断や治療を行っています。

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり(リンパ節摘出術) 化学療法あり 198 27.08 40.13 0.00 60.32
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 特別な処置等あり(ビダーザ) 132 8.20 10.62 0.00 74.39
130060xx97x41x 骨髄異形成症候群 手術あり(リンパ節摘出術) 特別な処置等あり(ビダーザ) 副傷病 あり(敗血症) 129 37.21 43.38 0.78 77.32
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり(リンパ節摘出術) 特別な処置等あり(ビダーザ) 副傷病 なし 109 17.19 21.33 0.00 77.91
130010xx97x0xx 急性白血病 手術あり(リンパ節摘出術) 特別な処置等 なし 95 12.69 16.04 0.00 70.03

当科では白血病、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫など血液悪性疾患の診療を中心に行っています。それ以外にも再生不良性貧血や血小板減少症などの血液疾患の診療も行っています。
血液・腫瘍治療センターとして血液外来化学療法室に46床、入院では無菌室を40床など充実した設備で年間に骨髄系腫瘍約240例、リンパ系腫瘍約280例の新患に対応しています。血液悪性疾患の治療は主に化学療法と造血幹細胞移植です。当科では寛解導入時、および造血幹細胞移植を除き、基本的に外来治療を中心とし、入院は顆粒球減少時無菌室入院など必要最小限にとどめることで、日常生活を送りながら治療を完了するようにしています。入院期間の短縮はQOLの向上、患者のモチベーションの向上に寄与し、治療成績にも影響します。そのため平日、休日の区別なく外来、病棟スタッフが入退院に迅速に対応しています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 特別な処置等なし 副傷病 なし 76 3.42 5.50 11.84 76.17
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり(胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術) 特別な処置等なし 62 11.42 11.87 4.84 73.73 肺切除術
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 特別な処置等なし 副傷病 なし 61 6.57 7.30 3.28 61.34
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 41 6.56 4.96 2.44 70.56
060050xx02x10x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 特別な処置等あり(人工腎臓等) 副傷病なし 39 14.38 16.92 0.00 70.36

当院は地域がん診療連携拠点病院ですので、当科でも肺癌、肝癌、胃癌、大腸癌、乳癌の5大癌の外科治療を中心に行っています。また、血管外科や胆石、ヘルニアといった良性疾患の手術療法も多数症例行っており、さらに膵臓癌や食道癌の手術など高難易度の手術も積極的に行っています。血管外科では人工血管手術の他、腹部大動脈瘤のステントグラフト治療など、カテーテル治療も多数行っています。一方、当院では独立した臨床腫瘍科がありませんので、消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌)や肺癌などの化学療法も症例に応じて入院で行っています。

呼吸器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 特別な処置等あり(気管支ファイバースコピー、経気管肺生検法等) 126 3.51 3.43 0.79 72.92 気管支鏡検査
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 特別な処置等なし 87 12.45 19.06 2.30 73.99
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 化学療法ありかつ放射線療法なし 副傷病なし 85 6.52 10.00 2.35 72.35
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 特別な処置等なし 副傷病なし 46 20.09 20.92 43.48 80.89
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 特別な処置等なし 39 11.44 14.58 15.38 74.00

当科では、肺癌や呼吸器感染症などの診療を中心に行っています。特に肺癌症例の診断・治療を数多く手掛けており、そのための入院がかなりの割合を占めています。当科で行う気管支内視鏡検査や、外科、放射線科と連携して行う検査で、病理組織診断を確定しています。画像診断を併せて臨床病期を特定し、外科、放射線科とカンファレンスを行いながらガイドラインを踏まえた適切な治療を提供しています。治療方針は患者さんと相談しながら決定し、できる限り早期退院を目指しています。その他、肺炎などの呼吸器感染症や間質性肺炎の診断・治療にも積極的に取り組んでおり、必要に応じて入院治療を行っています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 266 25.88 26.30 76.69 83.65 大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術)
大腿骨頸部骨折(γネイル術)
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 46 24.43 24.26 26.09 77.89 人工膝関節全置換術(TKA)
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病 なし 34 23.88 19.61 44.12 80.29
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術あり(脊椎固定術等) 特別な処置等なし 31 19.74 16.80 6.45 72.39
160690xx02xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 経皮的椎体形成術 24 21.33 18.66 29.17 80.50

当科では、大腿骨近位部骨折を始めとする外傷性疾患を積極的に受け入れています。一方、関節疾患や脊椎疾患などの変性疾患にも幅広く対応し、理学療法・作業療法を早期から開始する事で、患者さんの機能をより良く改善するように努力しています。
限られた入院期間の中で治療を行いご自宅へ戻る事を目標にしています。しかし、患者さんの状態や疾患の特性により、長期間の入院を必要とされる場合は、担当職員による転院調整を早い機会に開始して、スムースな転院・切れ目のないリハビリ等の治療が継続出来るように心掛けています。

循環器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 特別な処置等なし 副傷病 なし 90 5.66 4.47 1.11 70.83 心臓カテーテル検査(手)
心臓カテーテル検査(足)
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査  副傷病 なし 79 3.24 3.01 0.00 70.84 心臓カテーテル検査(手)
心臓カテーテル検査(足)
050130xx99000x 心不全 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 なし 71 17.46 17.66 7.04 84.24
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 特別な処置等なし 33 5.94 5.15 0.00 65.06
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり(ペースメーカー移植術等) 特別な処置等なし 副傷病 なし 32 14.78 11.01 0.00 81.19 ペースメーカー手術午前(新規)
ペースメーカー手術午後(新規)
ペースメーカー手術午前(交換)

当科では、虚血性心疾患、高血圧、不整脈、心不全、閉塞性動脈硬化症などの診療を中心に行っています。検査入院はなるべく短期間で行い、治療入院は年齢や合併症などに応じて、安全に行えるように努めております。心不全の治療においては、心臓リハビリテーション、栄養指導など積極的に多職種での治療介入を行っています。外来での心臓リハビリテーションも行っております。除脈性不整脈に対して、永久ペースメーカー植え込み術、頻脈性不整脈については、経皮的カテーテル心筋焼灼術を行っております。また、高血圧、不整脈、心不全などに合併する睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を積極的に行っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 特別な処置等あり(前立腺針生検法) 定義副傷病 なし 100 2.12 2.53 1.00 71.60
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 特別な処置等なし 62 7.94 7.20 1.61 75.84 TUR-Bt
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 化学療法あり 副傷病 なし 54 6.28 7.40 0.00 75.98 TUR-Bt
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 特別な処置等 なし 副傷病 なし 32 3.56 2.72 3.13 67.56
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病 なし 32 9.38 12.58 3.13 76.34

当科では成人の一般泌尿器科の診療を中心に行っています。前立腺生検を入院で行っています。ほかの入院症例のほとんどは手術の症例です。最も多いものは膀胱がんに対して経尿道的手術を行った症例です。術直後に抗がん剤の膀胱注入する症例も多くあります。上部尿路結石に対する体外衝撃波砕石は外来で行っている症例もあります。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 87 6.94 7.89 0.00 25.08 扁桃摘出術
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 手術あり(リンパ節摘出術) 特別な処置等なし 副傷病 なし 54 2.11 8.73 0.00 60.63 頸部リンパ節生検
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 49 5.00 7.04 0.00 51.27 慢性副鼻腔炎(局所麻酔)
慢性副鼻腔炎(全身麻酔)
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 特別な処置等なし 38 7.18 8.68 0.00 60.03
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり(喉頭腫瘍摘出術、耳下腺腫瘍摘出術等) 36 6.28 7.37 0.00 65.03 耳下腺手術
顎下腺手術

当科では、頭頸部腫瘍(咽頭、喉頭、鼻・副鼻腔、甲状腺、唾液腺)や慢性副鼻腔炎、中耳炎(慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎)、突発性難聴などの診療を中心に行っています。当院は高気圧酸素治療装置を2台保有していることから、高気圧酸素療法の適応となる急性期の突発性難聴の症例が多いのが特徴の1つとなっています。甲状腺癌をはじめとした甲状腺の手術件数が多いのも特徴の1つです。頻度の多い頭頸部進行扁平上皮癌では放射線と抗がん剤の同時併用療法(化学放射線療法)で根治が目指せる症例は当院で治療し、根治に再建を伴う手術が必要な症例は、手術可能な他施設に紹介しています。当院の血液内科は悪性リンパ腫の症例が多く、血液内科からの依頼によるリンパ節摘出術の手術件数が多くなっています。慢性副鼻腔炎や副・鼻腔良性腫瘍では鼻内視鏡手術を主に行い、中耳炎には鼓膜形成術、鼓室形成術を主に行っています。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 なし 92 13.98 12.05 8.70 72.37
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 特別な処置等あり(経皮的針生検法) 副傷病 なし 55 4.89 7.18 0.00 50.44 腎生検
腎生検(日曜日入院)
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 特別な処置等 なし 副傷病 なし 32 10.81 8.75 0.00 66.75 シャント増設術
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 特別な処置等あり(人工腎臓) 副傷病なし 26 14.15 14.21 0.00 67.58
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 特別な処置等なし 23 22.48 21.40 8.70 67.52

当科では、蛋白尿・血尿にはじまる腎臓病の早期発見と治療、慢性期ならびに急性期の腎機能低下に対する治療、さらには透析導入ならびに導入後の管理などの診療を中心に行っています。
主な疾患としては、原発性糸球体疾患、尿細管間質性疾患、高血圧、糖尿病、膠原病、血液疾患や電解質・代謝異常に伴う全身性腎疾患、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、急性腎障害、慢性腎不全、血液透析、腹膜透析です。
入院患者727例/年、腎生検90例/年、透析導入53例/年、経皮的シャント拡張術・血栓除去術261例/年、内シャント設置術70例/年などの実績は、広島県内の総合病院ではトップクラスです。

脳神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 特別な処置等あり(SPECT等) 定義副傷病 なし 24 24.21 19.73 12.5 70.42
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 特別な処置等 なし 副傷病 なし 23 5.52 7.07 0.00 77.00
010170xx99x00x 基底核等の変性疾患 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 なし 22 12.59 14.37 0.00 67.18
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 なし 19 13.68 17.67 5.26 71.74
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 特別な処置等あり(SPECT等) 副傷病 なし 17 15.65 16.98 5.88 72.12

当科では、神経変性疾患を中心に診療を行っております。神経変性疾患とは、緩徐進行性に手足の運動障害や歩行困難、物忘れなどを認める疾患で、代表的なものとして、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などがあります。当科では、MRIやシンチグラフィ検査なども用いて正確に診断し、病状にあわせ、QOL(生活の質)を考慮した治療を心がけております。また、神経変性疾患以外にも、脳梗塞、てんかん、頭痛、末梢神経障害などの神経疾患に対しても、同様に考えております。精査・治療のための短期間の入院を含め、より高いレベルでの診療を行うように努力しています。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 特別な処置等なし 42 17.40 19.69 9.52 30.93
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 特別な処置等なし 28 2.79 3.20 0.00 42.86
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 化学療法ありかつ放射線療法なし 副傷病 なし 20 6.35 4.85 0.00 63.70
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 20 6.55 6.28 0.00 39.55
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 19 7.74 9.70 0.00 32.95

産科では、正常妊娠以外に切迫早産、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育不全などの母児管理を中心に行っています。血液疾患、甲状腺疾患、糖尿病、腎疾患などの合併症にも対応可能な体制を整えています。
一方婦人科では、子宮癌や卵巣癌などの悪性腫瘍の診療を中心に行っています。手術療法、放射線療法や癌化学療法など的確な治療方針の決定と癌の種類や進行度に応じて治療法を効果的に組み合わせる集学的治療を行っています。良性疾患である子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症などでは、女性のライフステージに応じた治療を行っています。また、骨粗鬆症やホルモン療法など女性ヘルスケアのみならず、女性に特有な心身に関わる疾患である「女性医学」にも積極的に取り組んでいます。

内分泌代謝科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 特別な処置等あり(インスリン) 副傷病 あり(認知症等) 85歳未満 112 16.76 15.51 1.79 68.17 糖尿病合併症検査入院(4日間)
糖尿病合併症検査入院(5日間)
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 特別な処置等あり(インスリン) 副傷病 あり(認知症など) 85歳未満 25 16.44 15.14 0.00 67.44 糖尿病合併症検査入院(4日間)
糖尿病合併症検査入院(5日間)
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 特別な処置等あり(インスリン) 副傷病 なし 85歳未満 21 14.57 13.90 0.00 69.90 糖尿病合併症検査入院(4日間)
糖尿病合併症検査入院(5日間)
100070xx99x010 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 特別な処置等なし 定義副傷病 あり(認知症等) 85歳未満 18 10.56 12.36 0.00 64.11 糖尿病合併症検査入院(4日間)
糖尿病合併症検査入院(5日間)
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 特別な処置等なし 副傷病 なし 17 13.71 13.50 5.88 56.71

当科では、糖尿病の治療と、甲状腺や副腎など内分泌疾患の診断と治療を中心に行っています。
当院は日本糖尿病学会ならびに日本内分泌学会の認定教育施設であり、専門的な診断と治療を行うことができます。そのため、血糖コントロールの不良や感染症などによる全身状態の悪化で紹介された糖尿病患者の入院が多く、そのほかに副腎などの内分泌学的精査、甲状腺疾患の治療、低ナトリウム血症など代謝疾患の治療も行なっています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 特別な処置等あろ(ラジカット) 副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 41 13.85 16.18 36.59 70.02
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 特別な手術等なし 副傷病なし 31 9.06 7.35 25.81 65.71
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 特別なしょつ等 なし 副傷病 なし 31 10.29 11.80 22.58 79.58 慢性硬膜下血腫(穿孔洗浄・酸素置換術)
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術あり(慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術) 特別な処置等なし 副傷病 なし 21 5.95 9.69 4.76 65.29 慢性硬膜下血腫(穿孔洗浄・酸素置換術)
010230xx99x00x てんかん 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 なし 15 7.07 7.28 13.33 57.93

当科では、脳卒中や外傷、脳腫瘍などの診療を中心に行っています。脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)や頭部外傷などの救急症例をいつでも対応できるよう日常診療の体制を整えています。脳卒中の急性期治療として、脳梗塞のt-PA静注や血栓回収、くも膜下出血の原因の脳動脈瘤の手術も早期に行っています。外傷に対しても手術を含めた緊急治療を施行し、早期よりリハビリテーションを開始しています。脳腫瘍に対しては、手術、放射線、化学療法を組み合わせ、病状にあわせた治療を選択しています。

リウマチ科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 なし 139 12.85 15.58 0.00 64.86
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 特別な処置等なし 19 22.53 15.90 5.26 78.79
070470xx99x5xx 関節リウマチ 手術なし 特別な処置等あり(レミケード) 16 2.69 2.73 0.00 56.06 レミケード治療(2日間)
レミケード治療(3日間)
070560xx99x01x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 特別な処置等なし 副傷病 あり(その他の真菌感染症) 13 13.62 27.21 0.00 59.08

当科では、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどのリウマチ・膠原病の診療を中心に行っています。
リウマチ・膠原病は様々な臓器に病変を生じることが多く、重症の場合には入院して全身の状態を評価して治療を行います。当院は総合病院ですので、リウマチ・膠原病で何らかの臓器病変が生じた場合にもその臓器の診療が専門の医師と連携して診療することができます。
リウマチ・膠原病の治療には抗リウマチ薬やステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤などが用いられ、状況によっては入院してそれらの治療を行います。リウマチ・膠原病の治療成績は近年劇的に改善していますが、その反面、薬剤の副作用として感染症を合併することも多く、重症の場合には入院してその治療を行います。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり(リンパ節摘出術) 化学療法あり 39 33.92 40.13 0.00 6.49
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 特別な処置等あり(下垂体前葉負荷試験) 副傷病 なし 26 3.69 3.75 0.00 8.77
130110x1xxx5xx 出血性疾患(その他)(16歳未満) 特別な処置等あり(ガンマグロブリン) 26 4.88 6.87 0.00 4.92
130010xx99x2xx 急性白血病 手術なし 化学療法あり 21 9.00 13.51 0.00 6.71
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病 なし 19 5.79 6.19 0.00 2.00

当科では、小児血液腫瘍性疾患の加療を中心に行っております。具体的には、小児急性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,悪性リンパ腫などの血液悪性疾患、ならびに血小板減少症,貧血などの血液疾患です。特に血液悪性疾患に関しては、小児血液・がん専門医研修施設であることから倫理委員会の承認を得た全国統一治療に基づいて行っており、難治の場合や治療抵抗性の場合は骨髄移植を含めた造血幹細胞移植も行います。
また、市中基幹病院の小児科として、気管支炎,肺炎,腸炎などの感染症をはじめとする一般疾患の入院要請を極力受け入れるようにしています。更には新生児室の拡張に伴い、院内で出生した低出生体重児,呼吸障害の児の加療ならびに染色体異常を有する児の診療も行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり(水晶体再建術) 片眼 43 2.19 2.84 0.00 73.70
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり(斜視手術) 17 2.94 3.22 0.00 11.65 斜視手術(前日入院)
斜視手術(当日入院)

当科では、白内障・網膜疾患・緑内障・斜視などを中心に、幅広く診療を行っています。 手術が必要な網膜疾患には、黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離などが含まれます。硝子体手術は、広角観察システムを利用し小切開硝子体手術を行っています。 入院日数はできるだけ短くし、早期退院できるよう努めています。
※DPC対象外病床に入院した患者数
白内障、水晶体の疾患:245
斜視:30

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 特別な処置等 なし 13 13.77 12.51 0.00 71.85

当科では、主な入院治療として、帯状疱疹、蜂窩織炎等の感染症や自己免疫性水疱症、皮膚腫瘍、難治性潰瘍等を中心に行っています。
通常の帯状疱疹は外来での内服治療となりますが、顔面発症や悪性腫瘍治療中・ステロイド内服中等で免疫低下状態の患者さんには入院加療を行うこともあります。自己免疫性水疱症に対しては、ステロイドパルス・内服やγグロブリン大量点滴を行っています。
また、皮膚腫瘍や難治性潰瘍等に対する手術や局所陰圧閉鎖療法等を行っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 67 14 17 10 21 1 7
大腸癌 29 33 33 70 25 1 7
乳癌 21 15 10 1 7
肺癌 52 29 73 170 106 72 1 7
肝癌 21 19 14 12 144 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

※患者数は延患者数です。同一患者さんが集計期間中に入退院を繰り返した場合、入院のたびにカウントされます。
※Stageが「不明」の項目には、癌の疑い症例も含まれています。
※患者数が10人未満の項目には、ハイフン(-)を表示しています。

当院は、地域がん診療連携拠点病院に認定されており、5大癌をはじめとする癌診療に積極的に取り組んでいます。
肺癌と肝癌の再発が他の癌と比較して多くなっていますが、これは患者数が延患者数であることに加え、肺という臓器が血液を介して全身の臓器と密接につながっているため他の臓器に転移しやすいこと、また、肝癌が主に肝炎ウイルスへの感染に由来する慢性肝疾患から生じるため、再発の確率が高いこと等に起因しています。なお、肝癌の患者数は、肝炎ウイルス治療薬の普及による肝炎罹患率の低下と共に、今後減少していくと予測されます。

当院では、関係する診療科が密に連携し、それぞれの患者さんに適した治療法を提案しています。
詳細については、当院ホームページ「トップ画面>当院のがん治療>がんの診療内容、診療実績」をご覧ください。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 44 10.55 60.02
中等症 138 14.60 77.87
重症 38 17.16 82.11
超重症 18 19.78 84.50
不明

※患者数が10人未満の項目には、ハイフン(-)を表示しています。

肺炎を発症した環境によって分類すると、市中肺炎と院内肺炎とに分けられ、そのうち市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症する肺炎です。市中肺炎患者を、A-DROPスコアを用いて重症度分類し、集計した結果を示しています。(誤嚥性肺炎・ウイルス性肺炎・インフルエンザ等は除外)
軽症及び中等症の患者さんが全体の約8割を占めていますが、重症度が高くなるにつれて平均年齢も高くなっていることから、高齢者の市中肺炎が特に重症化しやすいことがわかります。

【A-DROPスコア】
・男性70歳以上、女性:75歳以上
・BUN21mg/dL以上または脱水あり
・SpO2≦90%(PaO2≦60Torr)
・意識障害あり
・収縮期血圧90mmHg以下
※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。
(軽症0点、中等症1~2点、重症3点、超重症4~5点、ただしショックがあれば1項目のみでも超重症とする。)
〈例〉75歳男性、脱水あり、収縮期血圧80mmHg・・・重症

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 122 20.09 75.27 37.75
その他 29 16.76 77.34 7.95

当院では、救急症例にいつでも対応できる体制を整えており、発症日から3日以内の急性期脳梗塞が集計の約8割を占めています。
急性期の患者さんに対しては、MRIや三次元CT等による迅速かつ正確な診断後、脳梗塞のt-PA静注やくも膜下出血の原因である脳動脈瘤の手術等の対応を早期に行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

消化器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 473 0.09 1.07 0.00 66.48 大腸ポリテクトミー
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 97 5.24 11.72 9.28 79.26
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 75 1.67 9.52 0.00 75.77 内視鏡的硬化療法(EIS)
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 66 1.85 8.59 7.58 71.20
K6532 内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 等 41 0.10 5.63 0.00 72.68

当科では、消化管、胆膵領域、肝臓のさまざまな専門的な手術を行っています。
大腸ポリープ・早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、大腸ステント留置術、胃がんに対するESD、止血処置、イレウス管留置、胃瘻増設など多岐にわたって治療を行っています。
肝癌に対するTACE、胃静脈瘤やシャント脳症に対するバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)などカテーテルを用いた治療を積極的に行っています。
また、胆道腫瘍や結石により胆汁の流れが悪くなった場合は内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術により胆汁を対外に排出させています。膵臓や胆管の腫瘍により胆管狭くなった場合は、ドレナージチューブを外して社会復帰できるよう内視鏡的胆管ステント術を行っています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 105 0.51 2.94 16.19 76.82
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 89 1.94 5.46 5.62 63.31 腹腔鏡下胆嚢摘出術
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 35 3.14 14.17 2.86 76.00
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 32 2.00 9.00 3.13 71.72
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 28 1.29 3.54 0.00 69.36

当科では5大癌(肺癌、肝癌、胃癌、大腸癌、乳癌)の手術を中心に扱っていますが、手術数では血管外科手術(動脈・静脈)や腹腔鏡下胆嚢摘出術などが多くなっています。がんの手術も最近では腹腔鏡(胸腔鏡)手術が増えてきており、鼠径ヘルニアもほとんどが腹腔鏡手術となってきました。また、適応を限定して、単孔式の腹腔鏡手術も導入しており、低侵襲手術で術後の疼痛軽減や入院期間の短縮を心がけています。乳癌手術でも多くが温存手術であり、必要に応じて同時再建も行っています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 143 5.03 19.34 69.93 83.10 大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術)
大腿骨頸部骨折(γネイル術)
K0811 人工骨頭挿入術(股) 109 5.42 18.90 82.57 83.80 大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術
大腿骨頸部骨折(γネイル術)
K0821 人工関節置換術(膝) 等 85 1.98 25.26 24.71 74.11 人工膝関節全置換術
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) 34 3.32 13.76 17.65 67.29 頸椎椎弓形成術
K142-4 経皮的椎体形成術 29 7.38 13.55 34.48 80.34

当科の入院患者さんの9割以上が手術を目的として入院されます。外傷性疾患に対して、可及的早期に手術を行う様に努力を続けていますが、スケジュール上、数日お待たせする場合もあります。大腿骨近位部骨折など、合併症の多い高齢の患者さんでも比較的安全に手術を行えるのは総合病院の強みだと考えています。大腿骨近位部骨折の場合は、受傷から手術までの期間がその患者さんの生命を含めた予後に影響を及ぼす事が判っています。当院では、大腿骨近位部骨折症例の手術待機期間の短縮に努めており、近隣医療機関の中では最も短い方だと自負しています。また、関節疾患・脊椎疾患などの慢性疾患も数多く治療しています。効果的かつ小侵襲の手術方法を取り入れ、また術後のリハビリを早期から積極的に行い、安定した術後成績を残しています。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 83 1.00 5.13 0.00 25.52 扁桃摘出術
K6262 リンパ節摘出術(長径3センチメートル以上) 47 0.15 1.30 0.00 62.77 頸部リンパ節生検(局所麻酔)
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 41 1.00 3.20 0.00 51.02 慢性副鼻腔炎(局所麻酔)
慢性副鼻腔炎(全身麻酔)
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 30 1.00 4.90 0.00 61.57 甲状腺手術
K347 鼻中隔矯正術 20 1.00 3.60 0.00 39.85 鼻中隔矯正術+粘膜下下鼻甲介骨切除術

当科では、頭頸部腫瘍(悪性、良性)、慢性副鼻腔炎、中耳炎などの手術を中心に行っています。
頭頸部腫瘍の手術では、甲状腺癌や甲状腺良性疾患に対する手術が多いことが当科の特徴となっています。甲状腺癌の手術では、病巣が一側に限局している場合には原則として、患側葉切除、気管周囲リンパ節廓清を行い、反回神経を温存する方針です。副鼻腔炎の手術では主に鼻内視鏡を用い、必要に応じて副鼻腔だけでなく、鼻中隔矯正術や下鼻甲介骨切除術も併用します。真珠腫性中耳炎など難治性の中耳炎には鼓室形成術、そうでないものには鼓膜形成術(接着法)を行っています。鼓膜形成術(接着法)は通常2泊3日の入院、希望があれば日帰り手術も可能です。顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術(経乳突洞法)も行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 126 1.59 4.85 0.79 76.37 膀胱の手術(TUR-Bt)
K8412 経尿道的前立腺手術(その他のもの) 35 3.34 8.20 2.86 75.54 経尿道的前立腺摘出術(TUR-P)
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 32 0.97 1.63 3.13 68.44 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 18 0.72 8.61 5.56 79.39
K797 膀胱内凝血除去術 11 1.00 9.09 0.00 80.36

当科では、泌尿器科の悪性腫瘍の手術を中心に行っています。最も多いのは、膀胱がんに対する経尿道的手術(TURBT)です。
経尿道的尿管ステント留置術は感染をともなう尿路結石症例などに行われています。
前立腺肥大症に対する経尿道的手術は、経尿道的前立腺切除術(TURP)を行っています。

循環器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 89 3.85 4.28 4.49 72.28
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 25 3.16 13.16 0.00 82.24 ペースメーカー手術午前(新規)
ペースメーカー手術午後(新規)
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 24 1.00 4.21 0.00 65.42
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 21 0.48 16.43 4.76 73.57
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 17 1.24 2.29 0.00 71.06

当科では、狭心症、急性心筋梗塞、不整脈の患者さんにカテーテル治療を中心に行っております。急性心筋梗塞の治療については、休日や夜間を問わず積極的に対応しております。閉塞性動脈硬化症は血管外科と連携しながら、患者さんに合った負担の少ない治療を提供しております。心房細動など頻脈性不整脈に対しても、積極的にカテーテル治療を行っております。また、永久ペースメーカー植え込みについては、MRI対応型のペースメーカーを使用し、ペースメーカー植え込み後の患者様には、定期的にペースメーカー外来を受診していただき、必要な時期にペースメーカーの本体交換を行っています。いずれの手術症例も、安全に入院日数をできる限り短くし、早期退院に努めております。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 33 1.03 8.85 0.00 50.48
K867 子宮頸部(腟部)切除術 27 0.85 0.96 0.00 42.59 子宮頸部円錐切除術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 等 24 1.13 4.38 0.00 39.42
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 14 5.93 7.21 0.00 32.14
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 13 3.00 6.69 0.00 33.46 帝王切開

産科では、選択的帝王切開術や緊急帝王切開術、頚管縫縮術や卵巣腫瘍摘出術などの手術を中心に行っています。
一方婦人科では、子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜ポリープなどの良性疾患に対して、開腹手術、腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術などを中心に、安全を心掛け行っています。子宮頚癌の初期や前癌病変に対しても、的確な処置や子宮頚部円錐切除を行い、進行子宮癌や卵巣癌に対しての悪性腫瘍手術もガイドラインに準じ行っています。また、高齢化に伴い子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤などの骨盤臓器脱も増加傾向にあり、保存的治療(ペッサリー)や手術療法(子宮脱手術)を行っています。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 54 5.69 4.04 1.85 72.76 PTA当日入院(1泊2日)
PTA当日入院(2泊3日)
K610-3 内シャント設置術 41 4.76 8.32 0.00 65.63 シャント増設術

当科では、経皮的シャント拡張術・血栓除去術や内シャント設置術などの手術を中心に行っています。
① 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(261例/年)
→ バスキュラーアクセス(シャント)の機能不全に対して、カテーテルと呼ばれる細い管を血管に挿入し、狭窄部あるいは閉塞部を再開通させる治療です。
② シャント設置術(70例/年)
→ 血液透析は大量の血液を機械に供給し血液を浄化する治療法です。透析専用の針が刺しやすく止血しやすい血流豊富な血管の作製を行います。

血液内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) 45 6.62 2.53 0.00 62.80

当科では難治性再発悪性リンパ腫や移植適応多発性骨髄腫患者に自家造血幹細胞移植を年間20~30例行っています。自家造血幹細胞移植で再発難治の悪性リンパ腫の約半数に長期生存が得られます。また移植適応骨髄腫患者は標準治療として自家造血幹細胞移植を行い、5年生存率は70%以上です。
同種造血幹細胞移植は再発難治の急性白血病や骨髄異形成症候群を中心に年間40~50例、累積で1000例以上行っています。また当院は骨髄バンクの骨髄および末梢血幹細胞採取施設、非血縁者間移植施設であり、臍帯血移植施設でもあります。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 40 2.70 8.28 27.50 79.70 慢性硬膜下血腫(穿孔洗浄・酸素置換術)

当科では、脳腫瘍に対する開頭手術や脳血管障害に対する血管内手術を中心に行っています。脳動脈瘤や頸動脈狭窄病変などの手術では、進歩のめざましい血管内治療を中心に治療しています。さらに脳梗塞に対する緊急の血栓回収も積極的に導入しています。脳腫瘍は手術を中心に、放射線や化学療法と総合的に治療を進めています。三叉神経痛や顔面痙攣を代表とする機能脳神経外科の分野では神経血管減圧術を施行しています。慢性硬膜下血腫に対しては低侵襲手術を主に施行しています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 52 0.17 1.02 0.00 73.69 白内障手術(片目、当日入院)
K2423 斜視手術(前転法及び後転法の併施) 12 0.92 1.00 0.00 16.67

当科では、白内障手術・硝子体手術・斜視手術を中心に行っています。白内障手術(水晶体再建術)は希望により外来または入院で行っています。白内障手術の入院は1泊もしくは2泊の短期入院としています。
全身疾患があり入院での手術を希望される方も多く、該当科との協力により安全に手術を行えるよう心がけています。
※DPC対象外病床に入院した患者数
水晶体再建術疾患:267
斜視手術:27

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 23 0.20
180010 敗血症 同一 35 0.30
異なる 25 0.22
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる 14 0.12
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.11
異なる

※患者数が10人未満の項目には、ハイフン(-)を表示しています。

医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべき病名について、入院契機となった病名との同一性の有無を区別して、患者数と発生率を示しています。
手術・処置等の合併症についても一定の割合で起こり得る病態ですが、発生率は低く抑えることができています。

更新履歴
2019/9/30

平成30年度 広島赤十字・原爆病院 病院指標を作成しました。